営業ツール作り

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知識習得

被購買力の補足的スキルとして営業ツール作りを説明する。

オフィシャルのものは大雑把

まず営業ツールについて説明する。

本項における営業ツールとは、パンフレットや会社案内などの、いわゆるプレゼン資料を指す。

これらは会社がオフィシャルのパンフレットや製品カタログを用意しているだろう。

そして新規営業をしていくお客様に対してはこのパンフレットを持参して、会社説明や商品説明を行うはずだ。

大勢のお客様を前にしての「プレゼン」までいけばパワーポイントを使ったりもすることもあるが、1〜2人のご担当者様に新規営業をする程度であれば、先述のオフィシャルパンフレットを用いて説明をする。

これが基本の動きなのであるが、会社オフィシャルのパンフレットというのは必要最低限の記載しかないことが多い。

会社概要(創立、社長名、資本金、所在地)や、工場竣工などの大きな出来事のみ記載のある社史、社長メッセージ、取り扱い製品や業務内容の概略までしか記載がないであろう。

製品カタログも、代表的な汎用品の紹介がメインとなり、特殊な製品や最新の製品については記載がない場合も多い。

これは、世の中に広く出回る可能性が高いパンフレットゆえに致し方ない特性であるとも言える。

例えば展示会に出展すれば不特定多数の人が持っていくし、代理店に渡したら競合他社にこっそりコピーを送られてしまうかもしれない。

このようなリスクがあるため、会社オフィシャルのパンフレット系はあまり深くを書けないのである。

新規営業をしていくにあたっては、いかにお客様に興味を持っていただけるかが大切だ。

興味とは、言い方を換えれば「使えそう」と思われるか否かである。

「この会社、使えそうだな」

こう思ってもらえなければ2回目のアポイントは難しい。

この大切な初回プレゼンのときに使う武器や防具がオフィシャルのパンフレットだけでは、あまりにも心細い。

強敵に対して、初期装備だけで挑むようなものである。

このとき、初期装備に加えて追加の武器を仕込んでおくことを私は推奨する。

手製の武器

そこで用意する追加の武器とは、具体的には自作のプレゼン資料(紙)である。

できればA4の両面印刷で持参したい。

内容は、自分が強調したい内容である。

このプレゼン資料を、ワードやエクセルで自作して、それを用いてプレゼンをする。

もちろん初期装備である会社オフィシャルパンフレット等は同時に出してもよい。

しかしトークの流れはあくまでも自作プレゼン資料を用いて行う。

例えば会社の創業期の話がしたければ、そこを最初に盛り込む。

自社製品が意外にも幅広く世間で使われていることを話したいのであれば、その実例の写真を載せて、説明する。

特に紹介したい特殊技術があるならば、それをわかりやすく図解にしたものを自作する(もちろん公開しても差し支えない範囲で)。

自社に多くの拠点があることをアピールしたいのであれば日本地図や世界地図も載せてマーキングをする。

こうして自社、ひいては自分が強調したいことをあらかじめまとめておいてしまう。

この順番でお話をすれば、誰でも自社の良さがわかってもらえるような資料を作ろう。

そしてそれは、A4の両面印刷でまとめきろう。

読むだけでわかるものが最良

先述の通り、この自作の資料は自分で話しながら解説するための武装として用意する。

これがあれば、話も散らからず、余裕をもってプレゼンができる。

そしてさらに一段上を目指すのであれば、その資料を自分が話しながら解説をしなくても、読むだけでわかる内容にしよう。

そのA4の両面印刷を読んだだけで

「この会社と付き合ってみたいな」

「この営業マンに会ってみたいな」

「この会社使えるかもしれないな」

このように感じてもらえる資料ができたら最良だ。

というのも、この資料の攻撃力が高ければ、勝手に伝播されて次々に新規見込み客を呼び込むキッカケにもなるからだ。

また、飛び込み営業においてもこの自作ツールは役立つ。

この自作ツールを表紙にして、クリアファイルにオフィシャル資料と共に入れることで、あなたが直接話をしなくても、この資料が十分に営業活動をしてくれるからだ。

さらにいえば、このツールがお客様の手元にあるだけで忘れた頃に電話が来たりするから、あなどれない。

このようなツールを撒いていくということは、自分の分身を配置していくようなものだ。

説明にはビジュアル情報が大切

この紙の資料を作成するにあたっては、写真や図解をなるべく盛り込んでいくのが良い。

人間は、文字媒体でも理解ができるが、それを写真や図で見ることにより、より理解が深まりやすい。

製品の紹介をするならば具体的な写真を載せ、使っている状況の写真も載せる。

  • 透明な液体であっても、ガラス瓶に入っている姿の写真を載せる。
  • 自社の工場の外見を載せる。
  • 特殊メカニズムがあるならばイメージ図を作る。

こうしてビジュアル的な情報がたくさん入った資料は、手に取る人も読む気になりやすい。

文字だらけではなく、適度に写真が入っている資料は読みやすく、印象にも残りやすい。

「手作り感」を大切に

最後に注意点として、「手作り感」を無くさないようにしたい。

手作り感とは、明らかにワードで作っていて、普通のA4の上質紙に印刷されているというものである。

これが、業者が作ったコート紙(ツヤツヤピカピカのもの)だったりすると一気に手作り感がなくなってしまう。

レイアウトに凝りすぎて、シロウトっぽく無くなってしまった資料もまた、魅力がない。

そういった、いわゆる「業者が作った感」が感じられると、人は一気に興味を失ってしまうのだ。

シロウトが、ヘタクソながらも手製で作ったという資料こそが、人の目を集める。

これが、変に小綺麗なレイアウトで、シロウトが使えなさそうな技術で作られていると、一気に「業者に頼んで作りました」感が出てしまう。

こうなってしまうと、オフィシャルのパンフレットとあまり変わらない。

そのためあえてのヘタクソ感・シロウト感を残すために、普通のコピー用紙に両面印刷して、レイアウトもシロウト臭さを残す。

あまり洗練させすぎない。

その資料を作った営業マンの存在を感じさせるようなシロウト感があるが、しかし内容はシロウトではない資料。

これが唯一無二のあなたの武器になるのだ。

注意:上長の許可は取ろう

最後に注意点を。

このようにして作成した自作営業ツールだが、会社の看板を背負って営業活動するのであるから、上長に見せて配布の許可を得ておこう。

注意すべき点は、そのツールが一人歩きしたときにトラブルにならないか否かである。

特定の顧客と共同開発したものや、まだ公表していない特殊技術など、出回っては困ることを無意識のうちに記載してしまっている可能性もある。

そういう意味で、事前に上長に確認をしてもらおう。

そして配布の許可を得よう。

このプロセスなしで勝手に配布をしてしまって、それがトラブルにつながってしまった場合、あなたの責任になってしまうからだ。

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