登山・釣り

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接近戦

被購買力のエクストラ技術、前回のゴルフに続いて習得をお薦めする趣味が登山と釣りだ。

お客様の心のセキュリティを効率よく突破していくためには、共通の話題が必要であると述べた。

日本語が話せるだけでは、実はコミュニケーションは成立しない。共通の話題があってこそ話が盛り上がり、親しみを覚える。同郷の人であればもちろん早いが、その確率は低いだろう。

そのため、何らかの共通言語が必要であり、まずはゴルフを紹介した。

続く本記事では第二の勢力を持つ登山と釣りについて説明する。

また、お客様とのコミュニケーションだけではなく、社内の政治にも非常に役立つテクニックでもある。

オジサン趣味のトップ3

僕が推奨する化学業界にはオジサンが多い。とはいえ、これは化学業界だけの特性でもなく、どの業界もオジサンは多いものだ。

一言にオジサンと言っても、具体的に何歳くらいを指すのかといえば、40代半ば以上、と僕は見ている。この40代半ばから、課長になりはじめるし、子供も中学生くらいになっている人が多い。いい感じにオジサンになってくる。

そんなオジサン年代の人の趣味は、多くの場合ゴルフか、登山か、釣りになる。

なお「飲み」は基本なので、また別途説明する。

まず前回のおさらいだが、僕の体感だと、化学業界においては7割くらいのオジサンはゴルフを嗜んでいる。

腕前はまちまちだが、ひとまずクラブセットを持っていて、年に数回ラウンドする。

というのも化学業界は古来よりゴルフを重んじてきている業界で、社内コンペがあったり、お客様主催のコンペがあったりで、定期的にゴルフをする環境があったからだ。

なおこのような特性は、なにも化学業界だけでなく建築業界や機械系、紙系の業界にも見られる特性である。

つまりは、歴史が古い業界ほど、その傾向が強くなるということだ。やはりバブル期を体験している企業が多い業界は、ゴルフが浸透していると感じる。

そのような背景とDNAがあり、化学業界にはゴルフが浸透している。

そのためこのゴルフが最大派閥となるのだが、これを苦手とする人も少なからずいる。

ゆえに先ほど全体の7割がゴルフを嗜むと述べたが、このうちの約1/3くらいは本当に「お付き合い程度」で、特にハマってもいないし、特別な楽しさも見出していない。

そのため実質的にゴルフを趣味としている人は全体の5割くらいであろう。

このような人にはゴルフは共通言語とはならない。

そのような人たちは登山、釣り、キャンプにハマっていくパターンが多い。

もしくはゴルフもやるし、登山釣りもやるという複合パターンの人もいる。

先述のオジサン趣味トップ3でゴルフが5割とすると、登山釣りで残り3割を占める。

残りの2割はスキーや園芸、車バイク、ボート、ダイビングなどになるが、これらは少数派なのでまずは気にしなくても良い。

ゴルフとの違い

登山と釣りは、ゴルフと異なる性質を持っている。

それは「社交」ではないという点だ。

ゴルフは基本的には3〜4人でプレーするものであり、人数集めが必要となる。

また予約もハイシーズンの土日には1〜2ヶ月以上前から予約しなくてはならず、かつプレー代も1〜2万円かかることから、なかなかに「重たい」社交となる。

またそのプレーは約半日続き、長時間のコミュニケーションが必要であることからも負担感は、少なからず、ある。

細かいことだが、開催場所は皆の交通の便を考慮しなくてはならないし、スタート時間もあまり自由に選べない(3ヶ月前に予約すれば割と自由に予約が取れるが)。

これを「気楽ではない」と感じる人がいることもまた事実である。

日程、人数、費用、社交という要素があるため、ゴルフは結構「重い」。

つまり自由自在に、自分勝手にコントロールできる要素が少ないのだ。

これに対して登山や釣りは「ソロ」で実行できる点が「軽い」と感じられる。

日程はもちろん、どの山や海・川に行くか、いつ引き上げるか、費用はどれくらいかけるか等の条件も自由に決定できるし、ソロの場合は社交の場ではないから、他人に気を遣わなくても良い。

このような身軽さから、登山や釣りを趣味としている人も多い。

なおそのように割と身軽であったとしても、やはり他人と一緒に行くとなるとゴルフ同様に同行者との調整が生まれて窮屈になる。

PDCAを回すことが楽しい

ゴルフの記事においては、「エンジョイゴルフ勢」と「修行ゴルフ勢」がいると述べた。

修行ゴルファーはストイックにスコアアップを目指して日々練習し、勉強し、情報収集し、道具を吟味してテストして、それをラウンドで試してフィードバックを得る。このPDCAサイクルを通してスコアアップにつなげていくその工程を楽しんでいる。

登山と釣りも似たような性質がある。

どちらも、場所の選定や持っていく装備を吟味して、行程を練って作戦を立てる。そうして準備したものを現場で使用して、その作戦がハマって快適な登山ができたり、大漁だったりすると嬉しい。

逆に、予想外だったりケアレスミスで忘れ物をしたり、下調べが足りなかったばっかりに不便な思いをしたりするととても悔しい気持ちになる。

そうしてその反省を活かして次回には改善してうまく目標達成できたときに、やはりとても嬉しい。

ゴルフ、登山、釣りにはこのようにPDCAサイクルを回してフィードバックを得るという要素が多分にある。これが特にエクゼクティブクラスを惹きつけるのだ。

登山には頂上へ登った時の達成感や非日常な景色という魅力があり、

釣りには珍しい魚や、釣るのに運や技術が要る魚がいる。

この「一筋縄ではいかない難しさ」がエクゼクティブたちの知的好奇心や探究心を掻き立てるのだ。

そしてゴルフと同じように、そのような目標に対してガチっている人同士は、まさに「同好の士」となり、その趣味を共通言語とし、友達になれるのだ。

ちょっとでもいいから、かじってみる

このように、日本語というランゲージ以外にも、趣味という共通言語を持つことは大切だ。

もちろん「仕事」も共通言語にはなるが、さすがに利害関係が絡むビジネスの関係だけではなかなか仲良くなりにくい。

そこで、利害関係のない共通の趣味という緩衝材があることで、スムーズにお客様の心のセキュリティを解除することができるのだ。

しかしながら、ゴルフも、登山も、釣りもすべて極めることは難しい。

時間はもちろんのこと、道具を買い揃えたり、遠征を繰り返すのは経済的にも難しい。

本サイトにおいては、このゴルフ・登山・釣りというオッサン趣味三種の神器においてはその実用性から「ゴルフ」を格別に推す。

そのため、必然的に登山と釣りは時間と予算をかける割合が減る。

しかし、完全なゼロではいないでほしいと思う。

「登山?一回もやったことありません」では全く話が広がらない。

もし広げようとしても、実体験がなくては話の広がりにも限度がある。

そこで「筑波山に登ったことがある」とか、

「釣り堀でレンタルの釣りをやったことがある」という、

ちょっと頑張れば体験できる程度でいい。

もしお友達がこれらの趣味を持っているのなら、同行させてもらおう。とにかく、経験値ゼロでいないことがポイントだ。

ちょっとだけでもやったことがある、というのは途端にトークに重みが増す。

「根がかりしちゃって大変でした」とか、

「下山がヒザにきました」といういわゆる「あるある」を話題としつつ、相手が話しやすいように水を向けて話させる。

すると相手も「全くわからない人ではなさそうだな」と感じ、襟元を開いてお話をしてくれることだろう。

相手から会話を引き出すのは営業マンの技術として重要なものであるが、うまく引き出すためには自分側にも知識経験が多少は要るのだ。

それ以外の趣味について

最後に、ゴルフ・登山・釣り以外の趣味について。

この三種の神器で85%くらいのオジサンはカバーできる。

しかし、これらのどれにも関心を示さない人も一部存在する。

例えば、観葉植物(盆栽)や、バイク乗り、鉄道などだ。

もし、そのお客様が重要なキーパーソンである場合には、そこに特化して習得を狙うのもひとつの作戦だ。

その興味関心は多くの人には理解されないことが多いために、結構寂しい思いをしている。

僕も、多肉植物が大好きなお客様がいた。

「多肉植物を育てて、増やしたりしている」という話を聴いた後に、専門店に赴き、手頃なものをひとつ購入してみた。

ひとつ買ってみると、意外と興味関心が出てきて、育て方を調べたり、どうやったら増やせるのかなどを調べ始めた。

その話をそのお客様にして、どうやったら増やせるのか等を尋ねたところ、その話だけで1時間が経つほどに、お客様は熱く語ってくれた。

それまで、仕事の話だけでややドライな関係性だったものが、その1時間で一気に友達となったのだった。

僕はこのような経験を数多くしていく中で、趣味という共通言語の持つ力を感じた。

そのため、まずはゴルフ・登山・釣りという定番オッサン趣味を習得し、機会があれば少数派の趣味分野にも造詣を深めていくことが有効であるとご紹介した。

続き:接待・宴会

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