第一印象の強化編として、第一印象が「とても良い」について解説する。
まず、基礎編においては第一印象が「悪くはない」を目指した。
第一印象が「悪い」だと、挽回するのは至難となる。いきなり大ピンチになる。これを知識経験の実務力でひっくり返すのは、文系の営業マンにとっては事実上、不可能と言える。
だからこそ、この第一印象が最初のポイントとなるのだ。
基礎編においては「足切りを防ぐ」ことにフォーカスした。
その基礎ができた上で、本記事の、第一印象が「とても良い」を目指そう。
第一印象が「とても良い」とは?
結論から行くと、第一印象の良し悪しを決めるのは、笑顔である。
笑顔が良い営業マンは、お客様の警戒を素早く解かし、すぐに友達になれる。
逆に笑顔がない、言い換えれば愛想がない営業マンは、お客様の内側に入っていくことが難しい。
とはいえ、多くの人は「笑顔」それ自体は出すことはできる。
それは、人間が本来持つ力であり、その人の今までの人生における経験がそうさせることもある。
しかしながら、その「笑顔」について、要素を分解して考えてみたことはあるだろうか。
笑顔の要素
「笑顔」を分解すると、大きく2つの要素がある。
目と口元だ。
さらに、その中にもそれぞれ段階がある。
まず「目」から説明すると、
- 開いている
- 細めている
この2パターンがある。
そして口元に関しては、3パターンがある。
- 一文字
- 口角上がる
- 歯を見せる
この目と口元の組み合わせにより、6パターンの笑顔が作れる。
直感的にわかると思うが、目は細めていた方が笑顔としては良いし、口元は歯を見せるのが笑顔としては良い。
このように文章で説明していてもわかりにくいと思うので、今回もチー牛くんにモデルになってもらうとしよう。
チー牛くんで見る「笑顔」
まずは、
- 目:開いている
- 口元:一文字
この組み合わせだ。いわゆる「真顔」というやつで笑顔の要素はない。
次に、
- 目:細める
- 口元:一文字
の場合はこうなる。
※これではただの眩しさを感じている人、もしくは単に細めな人だ。
続いて
- 目:細める
- 口元:口角上げる
これはいわゆる「ほほえみ」であろう。これも穏やかで悪くない。
そして、
- 目:開ける
- 口元:口角上げる
これは敵意のないことを示す表情だ。
さらに
- 目:開ける
- 口元:歯を見せる
これは少し注意が必要だ。口元は笑って見せているけれども、目は油断していない。いわゆる「作り笑い」がこれである。若干の不気味さは、そういうことなのだ。
最後に、
- 目:細める
- 口元:歯を見せる
これは良い笑顔だ。無表情だったチー牛くんが、なんとも爽やかで、快活に見えるではないか。
すごく良い人そうで、親しみを感じ、思わずこちらも笑顔になってしまわないだろうか。
もともとは、
こうだったチー牛くんが
ここまで魅力的に見えるのは、ひとえに笑顔の力なのである。
いま、こうして僕が少し手を加えた程度の絵でさえ、ここまで変化する。
現実の人間ならばもっと魅力的に見える。
いわゆる「カラスの足跡」が目尻についたり、もっと口角が上がって、楽しそうな笑顔を作れる。
笑顔は人間が持つ処世術の基本
笑顔とは、人間という動物が持つ、処世術の基本だ。
敵意がないことを示し、友好の意思表示をすることができる。
赤ん坊が笑顔を見せるのは、そんな動物としての本能からだと言われている。
僕らはどんなに知能が発達しても、文明が進歩しても、結局は動物だ。
原始の時代に刻みついた本能は、今なお根深く、僕らの中に息づいている。
ならば、その本能の存在を知り、最大限活用しようじゃないか。
「たかが笑顔」と思われるかもしれないが、この「笑顔」は実に強力な武器になる。
天賦の才能
あなたの周りに、笑顔が素敵な人はいないだろうか。
どんな人でも笑顔は魅力的なのだが、そんな中でも一際魅力的な笑顔をする人はいないだろうか。
友達でなくても、飲食店でとても良い笑顔で接客する店員さんに当たることもある。
そんな人々は、笑顔に対する天賦の才能を持っていると言える。
もちろん訓練で身につけることもできるが、この笑顔の重要性を真に理解してトレーニングする人は少ない。
実は僕も、生まれつきで「良い笑顔」ができる側の人間だった。
子供の頃から笑顔を褒められることが多く、それで学校の先生にはウケが良かったし、異性からのウケもよかった。
というかその第一印象が良すぎて、「第一印象がピーク」とまで揶揄されるようになってしまったのだが…
その経験から、僕は第一印象とは、つまり笑顔であると、あらためて気がついたのだ。
力量が同じような同期の中で、僕が新規開拓できたのは、僕が第一印象が良い方だったからだ。
初めて会うお客様に、警戒される率がとても低かったから、取りこぼしが減って、結果的に新規開拓ができたのだと思う。
その第一印象の力について考えたとき、心当たりは…笑顔だった。
これは営業マンとしての営業成績だけではなく、何かミスをしてしまった時とか、相手に負担をかけてしまうお願いごとを頼む時などにも効果を発揮する。
第一印象が良い人は、それらをうまくこなすことができる。
ミスったときも「てへぺろ☆」で許されるし、負担のかかるお願いも「仕方ねえなぁ、ひとつ貸しだぞ!」で済む。
これは第一印象から来る力だと僕は感じる。
第一印象とは、言い方を変えれば「魅力」にも飛躍する。
ではその魅力の源泉とはなんなのかと言えば、それは笑顔なのだ。
イケメンとか、美人とかも、確かにプラスに働くことは間違いない。
しかしいかにイケメンや美人であっても、そこに笑顔がなかったら、印象は良くないのだ。
むしろ、そういう外見に恵まれている人ほど気をつけた方が良い。
「なんだアイツ、イケメンだからってスカしてて気に入らないな」
「美人だけど、愛想がないオンナだな」
このように逆に悪印象すら残してしまうのだ。だからイケメン美人ほど、笑顔を忘れないようにしてほしい。
長くなったが、第一印象を「とても良い」にするには、
- 目を細める
- 歯を見せる
この屈託のない、くしゃくしゃになった笑顔が、人の警戒を解き、あなたを魅力ある人にしてくれる。
鶴瓶さんとか、さんまさんとか、人気芸能人は皆そのように笑っている。
すでにできている人は問題ないし、できていない人も、上記のポイントを意識して笑う練習をしてみよう。
続き:「プロ」を感じさせる
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