「プロ」を感じさせる

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接近戦

第一印象の強化編、その2つ目は『「プロ」を感じさせる』である。

これは基礎編における「実用性」の項目で解説した(「使える」営業マン以外に用はない)のだが、実はこの実用性というのは第一印象にも寄与する。

寄与する、ということは逆を返せば悪印象にもつながるので、軽視できない。

お客様もプロ

結論からいこう。

僕が推奨する化学メーカーの営業マンをやっていくならば、相手となるお客様はほとんどの場合、技術者である。

技術者ということは、理系の大学を出て、その企業において長年技術部として仕事してきた人である。

当然ながら、かなり詳しい人たちが相手になる。

シロウトさん相手に、催眠術をかけて売るような性質の商材ではないのだ。

僕は化学メーカーを推奨しているが、仮に建築関連でも、プロを相手にする場合は同じことだ。

BtoBの営業であれば、お客様は必ずその道のプロになる。

だから、小手先のテクニックなど通用しないし、お客様は我々営業マンに対して、ひたすらに「実用性」を求めてくる。

それは当たり前のことだ。お客様だって「お仕事」として、営業マンと商談している。

お客様にも上司がいて、さらにはその先にお客様がいたりする。

こういうビジネスのための商談というのは、あまり感情の要素を挟まない。

一般消費者が気分で買い物をするのに対して、ビジネスの買い物というのは、費用対効果を真剣に検討する。

だからこそ、購買担当や、採用権がある人はかなり慎重に仕事をしている。

お客様は、正解を教えてほしい

前項で、お客様もプロであると述べた。

しかしながら、そんなお客様であっても、その知識は実際には浅い。

表層の情報は知っているが、深部や、秘密の情報は知らない。

これは当たり前のことで、自社の製品に最も詳しいのは、その会社の人である。

いかにお客様がベテランで、いろいろな商品のことを知っていようとも、そのメーカーの社員よりは知識・経験レベルでは劣る。これは当たり前だ。

だからこそ、お客様はそういう足りない部分を補ってくれる「使える営業マン」を欲している。

知識経験が豊富で、自分の要望を叶えるものを提案してほしいと願っている。

結局、お客様もプロではあるけれども、さらなるプロ一気に正解を教えてほしいのだ。

自分で手探りで研究するには、時間が足りなさすぎる。そして面倒臭い。

求められる最終的な性能を、パッとクリアできる。

「それは、これとこれを使えばクリアできますよ」と。

そんな素晴らしい材料と、解決策をメーカーに求めているのだ。

落とし穴を先回りで埋めて!

前項で、お客様は解決策・ソリューションを求めていると書いた。

多くの場合、それは技術的な知識・知見によって達成される。

基礎編の「2年で景色は変わる」でも述べたが、2年間、ちゃんと「知識習得しよう」という気持ちで仕事に取り組んできたら、ケーススタディが蓄積してきているはずだ。

新規の案件に対しても、

「あっこれ、似たようなこと以前にもあったな」

というものが出てくる。

全くの初見、ということは減ってくる。

そのため、お客様からの要望に「それはこれを使えば、うまく行きますよ」というアドバイスができるようになっている。

そこまでは、前項の内容である。

そしてここからは、さらに一歩進んで、現場でのオペレーション、実際の運用をカバーできるというレベルに達していたい。

先述の、「これを入れたらうまくいく」系は、いわば理論的で、学術的なアプローチである。

対して、先ほど挙げた現場でのオペレーションや、実際の運用というものは、非常にアナログな要素が多い。

例えば、AとBを1:9の割合で混ぜる、というようなことが実験室では正しくできたとしても、工場の巨大な装置でやろうとすると、均一に混ぜるのがすごく難しい、というようなことがある。

もしくは、自社の生産工場とお客様の工場が離れていて、船を使うとか、輸出入が絡むとか、そういうロジスティクス(物流)面での取り決めもキッチリとケアしていかないと、実際の運用がスムーズに進まなかったり、毎回在庫が足りないとか、余ったとか、そういうことが起こる。

そのように「現場」までケアして、トラブルを未然に回避できる頼れる水先案内人という能力もまた、営業マンには求められているのだ。

現実の仕事の中には、ヒューマンエラーとか、連絡の不徹底だとかで、「んなアホな」と言いたくなるようなミスが結構起こる。

そういうトラブル・落とし穴を未然に見越して、「ここに落とし穴あいてるから塞いでおきますね」と先手を打って穴を埋めておいてくれる営業マン

これこそがお客様が求めている「使える」営業マンなのだ。

5年くらいが目安

では、このようにお客様にとって頼れる水先案内人になるにはどれくらいの時間がかかるのだろうか。

僕の経験だが、5年目くらいまでで一通りのトラブルには遭遇できた。

なぜそう思うのかと、振り返ってみると…

やっぱり人為的ミスや、仕組みの上でのミスは、どんなに気をつけていても一定確率で発生してしまうものだからだと思う。

それを都度、ケーススタディとして覚えたからだと思う。

また自分だけではなく、同僚が何らかのトラブルに巻き込まれているのを見て学んだり、過去のトラブル事例を知ったりして、トラブル回避の力がついていったと思う。

だから入社4年目くらいまでは、水先案内人としての力がないことを必要以上に嘆く必要はない。

「なぜ?」を忘れない

しかしながら、現場やオペレーションのトラブルに対し「なぜ?」と思う姿勢は忘れないようにしたい。

「なぜ?」と思うことは、つまり原因を知ろうとすることだ。

その原因を知って、問題の根っこを排除しようとする試みが必要だ。

起きたトラブルに対し、都度対応する対症療法ではなく、そのトラブルが再発しないように原因を取り除く根治療法が好ましい。

※根治できないものも残念ながらある…

トラブルに対し、再発させないようにしようと、解決しようと思う気持ちが、あなたにより一層の知識経験を積ませてくれる。

 

このようにして「プロ感」をお客様に感じさせることができたなら、初対面のお客様も

「おっこの営業マン、かなり詳しいな。頼れそう」

という第一印象を持ってくれる。

この「おっコイツ使えそうだな」という印象があれば、続いて重要な秘密をお客様からどんどん相談してきてくれるのだ。

この「プロ感」はスピーディにお客様のフトコロに入り込むのに有効だ。

続き:ビジネス的モテ男の余裕

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