この章の最初の記事『第一印象の基礎力』において触れたが、営業マンはニオイに特に気をつけよう。
ここまで紹介してきた、
- 視覚のテクニック(服装、髪型、ボディランゲージ)
- 聴覚のテクニック(話し方)
これらが良いレベルでできていたとしても、お客様に「クッサ!」と思われたら、かなり大きな減点をくらってしまう。
しかもお客様もニオイ指摘しにくいから、ますますタチが悪い。
あなたも自分がお客様の立場のとき、クサい営業マンが相手だったら話半分で、もう脳の中は「(こいつクサいわ〜…うわクッサイわ〜)」となってしまうことだろう。
そこで「足切り」されてしまうなんて、とてももったいないことだ。そんなくだらないことで営業の効率が悪くなったり、無駄なとりこぼしをしないためにも、ニオイについて学んでおこう。
ここからは、営業マンがケアすべきニオイについて説明し、対策方法も紹介していく。
まずは口臭の原因と改善方法について。
口臭(特に歯)
まず口臭に気をつけよう。
しかし「口臭」と聞くと、あまり知らない人は
「アポの前にニンニクを食べなければいいんだろ」とか
「毎日歯磨きしてるから大丈夫だよ」
「ミントのガムを常に持っているよ」などと思う。
しかしこれらは、実は表層的で、気づかぬうちに口臭を振りまいてしまっている可能性がある。
ちなみに口臭には男女の差はなく、しかるべきケアをしているか否か、がポイントになる。
Y字型フロス
結論から言うと、フロスを使うことで解決する。
「歯磨き」自体をしている人は多いと思う。朝と夜、できれば昼にも、歯磨きをしているだろう。
ブラシを使った歯磨きを行うと、歯の表面はちゃんときれいになるし、直後は口臭もなくスッキリする。
しかし!フロスで歯間の歯垢をこそぎ落とさなくては、ニオイの原因は断てない。
我々の口内には多くの常在菌がいて、完全にゼロにすることはできない。
そんな常在菌たちは、水分と栄養素を食べて、ニオイの元になる成分を分泌する。これが臭い。
なのでこのクサい物質を取り除くのが「歯磨き」なのであるが、歯と歯の間(歯間)と、歯と歯肉の「隙間ポケット」にも、このクサい物質がベットリと残ってしまっているのだ。
残念ながら、歯磨きのブラシはこれらの隙間にまで入り込むことができない。この物質は粘着力もあるから、水でゆすぐだけでは剥がれない。
そこでフロスを使って、物理的に破砕して、こそぎ取っていく必要がある。
フロスには糸巻き方式や、小さな弓のようになっているタイプがあるが、いろいろ試した僕としてはY字型のフロスをオススメする。
まず糸がそのまんま巻いてあるタイプは、以外に難しい。
一度やってみればわかるが、両手でフロスをピンと張りながら奥の歯の歯間をゴシゴシするのは結構大変だ(しかも指に食い込むから指が痛い)。
そうなるとフロスがプラスチックの弓のようになっているタイプが候補に上がるが、奥の歯は横向きにフロスを入れなくてはならず、やりにくかった。
また僕は少し歯並びが悪いので、強度が弱いフロスだとすぐに千切れてしまっていた。
そのため安価すぎるタイプは使い捨て…どころか1回で2本くらい使うこともあって結局、高くついた。
そのあたりを全てクリアしたのが、このクリニカのフロスだ。数回使いまわせる強度があるので、結果的に経済的でオススメだ。
とにかく最初にフロスをした時に臭ってくる、あのドブみたいなニオイに戦慄してほしい。
そんなものを口内に飼っていたら、そら臭くなるわ…と思うはずだ。
なお、このようにフロスを用いて歯間や歯肉ポケットをコスることによって、虫歯菌が歯に張り付いている時間を減らせるので虫歯予防にも大いに役立つ。
結局、歯垢というのは菌のカタマリなんだ…
ジェットウォッシャー
次にジェットウォッシャーを紹介する。
ジェットウォッシャーとは、圧力をかけた水を噴射する装置で…要するに口の中でやるケルヒャー(洗浄機)みたいなものである。
ちなみに僕が使っているのはこれ。
(僕が買った3年前くらいは五千円くらいだったのに、なぜかすごく値上がりしていた。ので、無理にこれを買う必要はないと思う。同じような機能があればいい)
このジェットウォッシャーによる水流を歯間や歯肉ポケットに噴射することで、食べカスを徹底的に除去できる。
先述のフロスとの違いは、食べカスの除去率の高さだ。
例えば家系ラーメンにニンニクをガンガン入れると口がニンニク臭くなって歯磨きだけでは落ちないと思う。
もちろん胃袋から上がってくる呼気も臭うのだが、一番は、目に見えぬほど細かいニンニクが歯間や歯肉ポケットに残っていて、そこがニオイを発しているのだ。
この細かいニンニクの粒子をジェットウォッシャーは高圧水流で洗い流してくれる。
僕も初めてジェットウオッシャーをした時は感動した。そして、上記のことを知ったのだった。
そうか、すごく細かい食べカスが残存しているから臭いのだと。
ちなみに、ジェットウォッシャーがあればフロス要らないのでは?と思った人もいるかと思う。
僕もそうだったのだが、残念ながらジェットウォッシャーは食べカスは吹き飛ばせるが、歯にべったりとくっついた歯垢は除去し切れない。
だからフロスを使って物理的にこそぎ落とすしかない。このことを、僕も歯医者さんで教わった。
「フロスやってます?」とバレて「えっ…あの…ジェットウォッシャーやってるんですけど…」と答えたら、そのように説明されたのだ。
そのため、フロスとの併用がオススメだ。夜にやるだけでもかなりスッキリする。
ソニッケアー
電動歯ブラシもオススメだ。
僕も最初の方は、安い電動歯ブラシを使っていた。乾電池で動くようなやつだ。もちろん手動式の普通の歯ブラシも使っていたのだが、妻が買ってきたソニッケアーには衝撃を受けた。
驚いた点、まずパワーが全然違う。
先ほどから述べている、菌のカタマリである歯垢をそれはもう高速振動でこそぎ落としていく。
また、微細振動のおかげで歯間のかなり手前まで毛先が入ってくれるので、フロスの仕事が減る。
フロスは、その形状から歯間の隙間には効くのだが、その手前の部分まではカバーしにくい。そこをソニッケアーで攻撃できるので、歯垢の除去が完璧に近づく。
またソニッケアーを使うと歯磨き効率が高くなり、結果的に歯磨き自体がラクになる。歯磨きが億劫でなくなる。
ソニッケアーにはハイグレードなタイプもあり、上を見たらキリがない。
そのためまずはこのエントリーモデルで試してみると良いだろう。
アパガードリナメル
最後に、口臭とは直接関係ないが歯を美しく保つのにオススメの歯磨きペーストを紹介しよう。
アパガード リナメル
これは僕も歯医者さんで紹介された品で、数年前までは歯医者さん限定だったと聞く(今ではアマゾンで買える)。
それまで、僕は普通のドラッグストアに売っているものを使っていただが、歯医者さんから「そういう研磨剤入りのやつは歯を削ってるだけで実はよくない」と教えてもらったのだ。
このアパガードリナメルは、特殊成分により歯の表面を保護してくれるとのこと。
一度使って貰えばすぐわかるのだが、とにかく歯の表面ツルッツルになる。
また、どぎついミントなども配合されおらず、口の中が強烈にシビれるということもない。
1本1,000円は高いな〜と思うかもしれないが、ごく少量でもすごく効くので、あまり気にならない。経済的な大容量タイプ(120g)もある。
歯の着色ケア方法
最後に、ニオイではないが歯に関係することを紹介しよう。
コーヒーや紅茶、烏龍茶などを愛飲している人、歯につく茶渋を気にしている人はいないだろうか。また喫煙者も歯に色がつきやすい。
これは歯医者さん用語では「着色」という。
もちろん食べ物や飲み物の色素が歯に沈着してしまうことで発生する。
ここで注意なのが、市販の研磨剤入り歯磨き粉で頑張ってコスると、かえって歯の表面が荒れてしまって、さらに着色されやすくなってしまうことだ。
人間の歯の表層はエナメル質という自己再生する層で守られているから、ここを守ってキレイな面を維持することは着色防止にもつながる。
そこで先述の歯磨きペースト「アパガードリナメル」が有効だ。僕もアパガードリナメルを愛用するようになって、明らかに着色がひどくなるまでのスパンが短くなった。コーヒーの量はあまり変わっていないのに、だ。
さて、アパガードリナメルを使っていれば着色のペースを遅らせることはできるものの、いつかは着色はされてしまう。
一度ついてしまうと、素人ではきれいに落とすことはできないので、おとなしく歯医者に行こう。
「着色落とし(クリーニング)をお願いしたいのですが…」と電話すれば大丈夫だ。
着色の強さの度合いにもよるが、大体1時間くらいで上下の歯をきれいにしてもらえる。
ちなみに僕の初回はひどく着色されていたので(茶色…)、下の歯だけで1時間かけてその日は終わり。別日にまた1時間かけて上の歯をクリーニングしてもらった。
手法は、マイルドな研磨剤を電動の回転する綿棒のような器具で磨いていく方式と、カルシウムの粉を吹き付けて、歯の表面にぶつけて汚れを除去する工法がある(後者の方が早い)。なおカルシウムの粉は歯のエナメル質よりは硬くないとのことで安心だ。
費用は1回あたり約2千円ほどだ(初回はレントゲン撮ったりしてもう少しかかるかも)。
歯のケアについて振り返る
ここまで歯についてアツく語れるとは自分でも思ってもいなかった。
思えば、この数年間、結構歯のケアについては勉強してきたし、口臭のメカニズムやそれへの対処法を身に付けれたのは大きいと思う。
本記事は商品紹介の記事になってしまったが、これらは実際に僕が使ってみて得た知見をもとにお勧めしている。安心していただけたらと思う。
ジェットウォッシャーやソニッケアーはちょっと高価なものでもあるので、どうしても資金に余裕がないという場合にはY字型フロスだけでも買ってもらって、ドブくさいニオイを体験してもらえたらと思う。衝撃を受けること間違いない。
その後、本記事をもう一度読んでみてほしい。
以上で口臭のケア方法については一通り説明できた。
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