「被購買力」とは

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知識習得

本サイトのタイトルとなっている「被購買力」について説明する。

この被購買力を高めていくことが、営業マンとして正当に、成果を出していく正攻法となる。

「営業力」との違い

まず世の中では、営業マンの実力について語る時には「営業力」という言葉をよく使う。

「あの人は営業力がある」とか「営業力をつけて売り上げアップ」とかだ。

この”営業力”は、直感的に「売る力」のように感じられる。また、この営業力は大きく2つの力に分けられる。

  1. 試行回数を増やす力
  2. 成約率をアップする力

1つ目は、試行回数を増やす、つまり1軒でも多く訪問したり、少しでも多くの顧客に告知をすることを指す。営業活動のオペレーション(実行)の力のことを指す。

試行回数の数がそのまま、成果に比例するタイプの営業も、実際にある。

成約率がほぼ決まっていて(しかも低い)、試行回数を増やせば増やすほどヒットする確率が増えるようなタイプの商材だ。例えば、住宅の営業などがこれにあたる。

「家を買おうかな」と思う人は、数は少ないが、確実に存在している。この人たちが「家が欲しいな」と思っているタイミングで、この人たちに出会わなければ、家は売れない。

もちろん住宅展示場に来るパターンも多いだろうが、それだけでは足りないから、営業マンは顧客候補になりそうな人たちと定期的に接触し、そのタイミングを待つ。その試行回数が多ければ多いほど、その候補者にあたる可能性は高くなる。そういう営業である。

次に2の「制約率をアップさせる力」。これが世の中でいうところの「営業力」と考えられる。

様々な心理学テクニックを駆使して、顧客の警戒を解き、他社との比較をくぐり抜け、先延ばしさせずに今日契約書にハンコを押させる。面談したら、ほぼ決まる。そんな人を「営業力が高い」と思う人は多いだろう。

若き日の僕も、そう思っていた。お客様を説得して納得させて売ることが営業力だと思っていた。そういう営業力があれば、どんな商材、会社でも生きていけると思っていた。

しかしながら、これは「一昔前」の営業手法である。一昔前は、インターネットもなく、情報源といえば本当に「ヒト」からがメインだった。雑誌や専門誌から情報を得る人もいたかもしれないが、世の中の大多数は営業マンから情報を得て、購買決定をしていた。

だから営業マンにその種の「営業力」があれば、確かに売れた時代があったのだ。

しかしこのインターネットが普及した世の中では、もう通用しなくなった。消費者は、顧客は、容易に情報収集ができるようになった。最もお得な会社はどこなのか、メリットデメリットをよく比較して、購買活動をするようになった。

これは、個人でも、法人の購買担当者でも同じである。

なぜこうなってしまったかといえば、それは一昔前の時代の「営業マン」達が、その営業力でもって、消費者を騙しまくっていたからである。いろんな分野で、損をした消費者や購買担当者は「あぁ、あいつの口車に乗って損したわ」と怒っている。そしてその怒りを、後輩や子供に、よぉく伝えている。

「よく調べて、購入しなさい。営業マンのトークに乗ってはいけないよ」

こうして営業マンの操る「営業力」の技の数々は無効化され、むしろそういうテクニックを使う営業マンはことさらに警戒されるようになった。悲しいかな、営業マン自体に信用がなくなってしまったと言える。

あなたも、営業マンと初対面になった時「何か売り付けられるのではないだろうか」と身構えてしまう経験はないだろうか。そういうことなんだ。

だから、もう前時代の「営業力」は通用しない。

「買ってもらう」力

そんな時代だから、もうかつての「売る」タイプの「営業力」は以前のように効果がない。消費者や購買担当者が賢くなってしまったから、やたらと煽ったり急がせる心理的な方法は、もう効き目がない。

ではどうすればよいのか?その答えが本サイトが推奨する「被購買力」である。

被購買力とは、言い換えれば「買ってもらう力」である。

「売る力」ではなく、「買ってもらう力」だ。

主体が営業マンではなく、買う側つまりお客様の視点に立つという意味で、この言葉を作った。

僕の経験上、この「買ってもらう力」を高めることで営業成績は伸びる。その要素について解説していこう。

①第一印象が良い

被購買力の1つ目は第一印象が良いである。

第一印象が良くないと、最初の最初で不合格になって、そこから進めない。

お客様にファーストコンタクトで「…こいつにはもう会いたくないわ」と思われたら、2回目はなく、すなわち売れることもない。後述する、他の2つの力が高くても、この第一印象がダメだと全てがダメになってしまう。だから最初に書いた。

しかしながら、安心していい。この第一印象には2つのレベルがあって、まずは第一印象が「悪くはない」になれば、2回目につなげることができて、売れる可能性も残るからだ。

さらに技術を磨いてに第一印象が「良い」になれば、2回目が会える可能性が高まり、取りこぼしが減っていく。

第一印象の最初のステップは、道具を揃えたり、自分の身体を手入れすれば達成できることばかりなことでもあるから、まず最初に取り組む項目と言える。

なおこの第一印象力を高めれば、次の②実用性も多少のカバーをすることができる。

②実用性がある

2つ目は、実用性があること。これはお客様にとって有用な働きができるか?を指す。

つまり「真のプロであるかどうか?」ということである。

お客様は営業マンにプロであることを求めている。シロウトなんて、求めていない。

もしあなたが新しいパソコンや、車を買おうとして店に行った時に「わかりません」とか「ちょっと確認します」だらけの営業マンだったらオイオイ大丈夫かよ、と思うはずだ。

その商材・仕事に精通しているプロフェッショナルであること。

机上の知識だけでなく、実際の成功事例や、過去の失敗経験からケアするべきところを良く熟知している、頼れるプロ。言い方は悪いが「使える営業マン」であること。そういう営業マンはお客様に頼られて、結果、売れる。

ただし、これはいきなりなれるものではない。でも諦めずに、その道のプロフェッショナルになろうと勉強すること。知識習得を放棄しないこと。失敗しても、それを糧にすること。そして、ある程度長く続けてキャリアを積むこと。

決して無茶なことではない。積み上げれば、誰にでもできることだ。

この「実用性」なくして継続的に売れることは難しい。ラッキーパンチではなく、実力で成績を出すというのは、そういうことだ。

小手先のテクニックは、意味がない。

どこまでも「実用的」であることが大切だ。この「実用性」を最初の面談で見せられるかが、次回のアポイントにもつながる。

そういう意味では、①の第一印象と補完し合う関係にあると言える。第一印象が多少悪くても「コイツは使えそうな営業マンだな」と思われたら次がある。

多少、知識がなくても第一印象が良ければ「まぁ、ちょっと頼りないけど、一生懸命だから会ってもいいかな」がある。※ただしずっとは続かない。やはり実用性を身に付けること。

③善き友であること

最後の3つ目は「善き友であること」。

第一印象が良くて、仕事に対してもプロフェッショナルであっても、お客様が「コイツは信用ならないやつだな」と思ったら絶対に売れない。

「信用ならない」とは、お客が無知なことをいいことにボッタくろうとしたり、どこかで手抜きをしたり、イザというときに逃げて雲隠れしてしまわないか。「契約書に責任は負わないって書いてあるでしょ」とか言って面倒を見てくれなかったりする営業マンのことだ。

買う側は、この手の誠意のない営業マン達に辟易としてきた。

そしてこういう営業マンが世の中にたくさんいるのだ。

「コイツはプロみたいだけど、信用に足る人物なのか?」

そこをお客様は常に見ている。百戦錬磨の企業の購買担当者なら、尚更だ。

「コイツは、苦しい時も一緒に戦ってくれるかな、困っていたら助けてくれるかな」そんなことをお客様は不安に思っている。

そのようなお客様の想いに応えることは「善き友であること」である。これは発言の端々、面談時の話し方、もしくは軽いトラブルの時に発現する。

営業マンはもちろん、所属する会社の利益を最優先にすべき存在ではある。それはもちろん正論だ。しかし、お客様はそんなことはどうでもいい。

お客様は、得をさせてくれる営業マンが好きだ。

多少の無茶を聞いてくれる営業マンが好きだ。

そこで「いやウチの利益が減るんで」なんていう営業マンは、選ばれない。

もちろん、所属する自社を赤字にして良いわけではない。だが、売れなければ売り上げはゼロ、もしくは既に取引があるならその商売を失って、マイナスになることもある。

社外と社内の境目に立って、どちらの顔も立てるのが、営業マンに求められる姿勢なのだ。そのことについても、順を追って説明していく。

 

これからの営業マンはこの「被購買力」(買ってもらう力)を高めて成約率を上げ、さらに必要性があれば試行回数を増やしていくことで成果を上げられる。

本サイトでは大きく「基本編」「応用編」の2段階に分けて習得を目指す。

この被購買力が最も大きな威力を発揮する業種は「化学メーカー」であると僕は考えている。なぜ化学メーカーが良いのか、は次の記事で。

続き:積み上げが効く業界:化学メーカー

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