第2章まとめ:一人前、到達

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知識習得

第2章は被購買力の基礎編ということで、3要素についての基本を説明してきた。

  1. 第一印象
  2. 実用性
  3. 善き友であること

この3つは、これまでは個別に解説してきたが、実は互いに結びついている。本記事ではそのことを説明し、基礎力の完成としたい。

第一印象:足切りを防ぐ

最初に第一印象の基礎力としては「足切りされない」がポイントだ。

「なんかコイツ不快だな」

「ちょっとおかしいやつかも」

「なんか怪しいな、大丈夫か?」

このような第一印象を与えないように、服装や髪型は、とにかく守りに徹する。奇抜さを避ける。

さらに、視覚のテクニックとしてはボディランゲージにも気を配り、お客様に安心感を与えること。

また、視覚以外にも「聴覚」と「嗅覚」も不快要素があるので、そこをケアしていこう。

さて、そのように「不審」「不快」を乗り越えて足切りを防ぐことができたなら、次のステージに入る。

実用性:まだ焦らなくていい

実用性に関しては、基礎編では主に「心構え」について述べた。

とにかく知識経験の積み重ねが大切であると認識し、そして必ず時間をかけて習得するのだと覚悟することが大切だ。

そうでないと「俺は営業マンだから勉強しなくていい、専門的なことは技術部に丸投げでいい」という営業マンになってしまい、実用性が半減する。

お客様から見たら、営業マンはその商品の専門家でなくてはならない。

もちろん、全てを知っているわけではないことも、お客様はわかってくれるが、それにしても限度はある。

簡単な質問なら、その場で回答できるように、知識経験を積もう。

とはいえ、その知識経験の蓄積には、ある程度の時間がかかる。こなす案件の数も必要だ。

しかし心配しなくていい。

25歳くらいまでは新人ボーナスタイムがあるので、この間の実用面は多めにみてもらえる。

この「若いから仕方ねえなぁ」の期間のうちに、しっかり積み上げよう。

なるべく多くの事例に接して、触れて、わからないことを調べて、技術マンに聞いて、自分の血肉にする。

少しでも「なんでだろう?」と思ったことは素直に聞いてみる。

「なんでAとBって一緒に使えないですか?」と技術マンに聞く。

そういう地道な積み重ねが、あなたの知識の鎧のひとつひとつのパーツになって、少しずつだが確実に強くなる。

僕の体験では、1年で半人前となり、2年で並の営業マンの知識経験になれる。

「俺は営業だから勉強しなくていいんだ」という人は、この2年目あたりの知識で止まる。

止まるが、それでも日々の業務はこなせるのが化学メーカーのヌルさでもある。

しかし僕は、この文章を読むあなたには、新規開拓ができる立派な営業マンになってほしいし、結局はそういう営業マンしか生き残っていけないと思う。

善き友であること:知っておけばいい

3つ目の要素「善き友であること」は、邪悪な営業マンでなければそれでよいことを説明した。

我田引水ではなく、お客様の利益を考えられる営業マンになろう。

よく、会社が押し付けてくる営業マンの理想像は、自社にとって好ましい営業マン像であって、お客様から見たらウザいだけだ。

もし自分がお客の立場だったら、どう感じるかな?思うかな?

ということに、素直になって良いのだ。このことは後述していく。

第一印象と実用性の関係

第一印象と実用性の有機的なつながりについて説明する。

お客様は結局のところ、営業マンにプロフェッショナル性を求めている。

そのため、実用性が大切だと述べてきた。

僕は「被購買力」の要素において第一印象と実用性を分離させているが、実用性は第一印象の領域にもまたがっている。

聞かれた質問に的確に即答できる営業マンの第一印象は、とても良いからだ。

とにかく頼もしいのだ。

「AってBと一緒に使えるの?」との質問に

「AはBとは一緒に使わない方が良いですね。混ぜるとこういう反応が起こってしまい、こうなってしまうので、やはり混ぜない方がいいです。以前、混ぜた事例があるのですがその時はこのように失敗してしまい〜〜」

このように経験に裏打ちされた、厚みのあるトークができたら、お客様はあなたをプロフェッショナルと見做して、信頼する。

もちろんお客様もモノづくりのプロであるから、その質問のレベルも上がる。

「AとBはXX反応が起こると思うんですが、そこにCを加えたら回避できませんか?」との問いに

「それは限定的な条件なら有効です。以前その反応を用いてこういう製品を作ったのですが、こういう条件下であれば大丈夫でした」

このような返しができることによってお客様は「オッこいつ、デキるな」と思ってくれるのだ。

もちろんこれは、一朝一夕に身につくものではない。

2年経っても、カバーしきれないことはある。それでも、そういう案件に当たるたびに、都度、自分に蓄積することを忘れなければ、5年経った頃にはとても強力な装備をしているはずだ。

そうしていくと、2年目のときより5年目のときの方が強くなっている。

さらに5年目より10年目の営業マンの方が強いのが、化学メーカーの営業職だ。

※ただしちゃんと勉強して積み重ねている人に限る。積み重ねてない人は2年目の知識経験レベルからあまり上がらない。

このように「オッこいつデキるな」とお客様に思ってもらう第一印象がとても大切だ。

もっと言えば、この知識経験の豊富さは、実は他の要素をカバーできるだけの力がある。

第一印象が悪くても、知識経験が特別なレベルであればお客様は

「ヘンな見た目してるけど、仕事できる、頼れる」

として慕ってくる。

善き友でなく、ドライな人でも

「ちょっと親しみにくいけど、アイツ詳しいから相談しよう」

という感じに案件が振られる。

それほどにこの知識経験の実用性・実務性とは、力があるのだ。

ただし!その域に至るのは30年のキャリアがあるとかのレベルなので、そうでない人はおとなしく、

第一印象と善き友であることをバランスよく高めて、知識経験のなさをフォローしよう。

最初のうちは、大きな欠点・弱点を作らないことが大切だ。

総合力で勝負しよう。

第一印象と善き友の関係

そしてまた、第一印象と善き友の2つの要素にも、またがっている部分がある。

初見の営業マンがいかに身嗜みがしっかりしていて、話し方やボディランゲージが適切かつ、知識経験がある頼れる営業マンだったとしても、そこに「善き友」性がなければ、やはりお客様は次のアポイントをくれない。

これは要するに「邪悪さ」が滲み出ているからである。

お客様を食い物にしようとか、うまく利用しようとか、自分の営業成績につなげようとか、そういう我田引水のオーラが消せてないと、全てが台無しになる。

もちろん営業マンなので、数字にはこだわっていきたいところではある。

あるのだが、それが露骨すぎるとお客様は引いてしまう。

『北風と太陽』の童話のように、お客様に

「うちはこういうところが良いからぜひ買って!契約して!」

とハァハァいいながら迫っても、お客様はイヤな思いをして門を閉じてしまうだけだ。

そうではなく、

「うちはこういうことができるよ。必要だったら言ってね。わからないことはなんでも相談してよ」

という態度でいれば、お客様は

「こんなことってできるかなぁ?教えてよ」

と、あちらから寄ってくるのである。

このことは、なかなか会社は教えてくれない。

会社は、

いかにクロージングするかとか

いかに反論に切り返して説得するかとか

いかにセールスポイントを美しく語るかのマニュアルやロールプレイングばかり強いてくるだろう。

だがそんなものは、売る側の立場から考えているものばかりで、買う側の立場に全然立っていない。

お客様というのは、基本、

売り込みなんてされたくないし、買わされたくない。

自分で見つけて、自分の意思で買いたいのだ。

その気持ちを大切にすること。

自分が消費者の立場ならば簡単にわかることが、いざ自分が営業マンになってしまうと、わからなくなったり、会社に間違ったことを刷り込まれてしまう。

だから、どこまでもお客様にとって善き友達として接しよう。

それが結果として、あなたを売れる営業マンにしてくれる。

このことに関しては、テクニックは不要だ。

ただただ、この善き友達でいることの精神を憶えておいてくれるだけでいい。

実用性と善き友の関係

最後に、実用性と善き友のつながりについて。

これはわかりやすい。

あなたが実務を通して得た知識経験は、そのままお客様に惜しみなく提供しよう。

その問題なら、以前こうやって解決しましたよ。

それは、こうやったらうまくいきます。

そういうことを惜しみなくアドバイスして、お客様を助けよう。

※もちろん守秘義務は守ろう。具体的な社名とかノウハウに抵触しそうなのはぼかして説明する。

化学メーカーの場合、お客様が成功してナンボである。

お客様の作る最終製品が世の中で売れなければ、化学メーカーの扱う素材も売れないからだ。

化学メーカーはお客様とベッタリくっついて、一緒の船に乗って航海している関係だから、お客様の成功をサポートするために、あなたの知識経験を惜しまず投入しよう。

そういう意味でも、幅広い知見を吸収・勉強して自分の血肉にしていくことは大切なのだ。

お客様にとって、使える・頼れる相棒になれば、やはり自ずと営業成績は上がる。新規開拓もできる。

これが正統ルートである。

しかし、会社側からはこのようなルートは示されないことが多い。

なぜなら不確実だし、うまく説明ができないからだ。

会社はよく、

「訪問件数×面談時間×成約率=契約件数」のような式を見せてくるが、これは的外れな数字であることは、ここまで読んでくれた読者の皆様ならばわかるだろう。

いわく、成約率は一定だから、訪問件数を増やせ、面談時間を伸ばせ、と。

だから多くの営業マンは尻を叩かれて訪問件数を増やすが成果は上がらない。

しかしながら、会社側からしたら、このような式くらいしか、提示のしようがないのだ。

僕が述べてきた「第一印象」「実用性」「善き友」は数値化しにくい。

しにくいが、これらをひとまず「良い方向」にチューンアップしていくことが、結果的に近道になるのだ。

第2章までは、そのことまでをわかってもらいたく構築した。

次の第3章からは、「被購買力の強化編」として、先述の「良い方向にチューンアップする」具体的な手法について詳しく説明していく。

続き:第3章 強化編の概要

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