貸しを作る

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知識習得

善き友であることの強化編、前回の記事では共謀することについて説明した。

共謀して、一緒にワリィことをすると、お客様とは秘密を共有した友達になれる。

また、肩肘張らないぶっちゃけトークができる営業マンになっている。

これらの条件が整ってくると、次のステージに進み、さらにお客様にとって良い友達になれる。

ここでの「良い」という漢字は、「都合が良い」という意味を指す。

プライドよりも新規開拓

先述のように、

  • ざっくばらんにぶっちゃけトークができる
  • お客様の「得」を一緒に考えて共謀できる

ここまでできていると、お客様からは

「こいつは『良い』営業マンだなぁ〜助かるよ」

という見られ方をし始める。

繰り返すが、この「良い」は「都合が良い」の「良い」である。

こう書くと、なんだか損した気持ちになってくるが、そこはグッとこらえてほしい。

ここで

「都合が良いって思われるなんてシャクだな…

いっちょナメられないように反撃しとくか!」

などと思ってはいけない。

こう思うのは、並の営業マンである。

くだらないプライドに支配されている状態だ。

僕ら営業マンが追いかけるのは自分のプライドではない。

新規開拓の件数だ。

その至上命題のために、あえて「都合が良い」営業マンになっているのだ。

だからここで「都合が良い営業マンになっちゃって大丈夫かな?」と不安になっている人は、安心してほしい。

お客様にとって都合の良い営業マンになることは、全ての始まりだ。

この世には

「都合の良い営業マンになるまい!」

「付け込まれまい!」

とわざわざ抵抗して、お客様に好かれず、結果として売れない、並の営業マンがたくさんいる。

彼らは新規開拓とか、成績とかよりも、自分のプライドを深層心理で大事にしてしまうから、そのような態度になってしまう。

そうならないためにも、徹底的に「都合の良い営業マンになる」ことがファーストステップだ。

小さな貸し借り

基本的にお客様、つまり「買う側」というのは営業マンに対して借りなど作りたくない。

借りなど作ったら、断りにくくなるからだ。

仁義に篤いお客様ほど、貸し借りを作ることには慎重だ。

しかしそんなお客様が、あえて営業マンに「貸して」と言ってくるとき。

それはかなり気に入られている状態にある、と言える。

それはここまでの活動で「都合の良い」営業マンになれているということを意味する。

そうでなければ「貸して」なんて言ってこない。

先程、「都合が良いのが全ての始まり」と述べたのはこのためだ。

そうして都合の良い営業マンになれて、気に入られたなら。

お客様は少しずつワガママを言ってくるようになる。

この場面に至ったら、是非とも「貸し」を作り、人間関係のバランスシート(後述)に記録を残したい。

お客様からは、まず下記のような小さなワガママ、お願いが繰り出される。

「初回をサンプルとして、無償で提供してよ」

「小さい部分だけ、テスト施行してみてよ」

このように、小さな「お願い」が始まってくる。

もちろん良い兆候だ。

人間関係のバランスシート

人間関係にはバランスシートがある。

いわゆる「貸し」と「借り」だ。

自分が「貸し」を作れば、お客様の側には「借り」が載る。

この実績を作ることが大切だ。

この「貸し」は、その性質上、サンプルとか、試験施行とか、おカネにならないことも多い。

しかしながら、お客様もいきなりおカネを動かすことは社内的に難しかったりする。

だからお金を介さずに、もしくは超低額で、「貸し借りの取引実績」作りをまず行うのだ。

そうして付き合いが始まっていくのだが、まともな担当者ほど、小さな案件から始める。

次のステップにおいては

「今回だけ、特別な単価にならない?」

「急ぎで必要になっちゃって、明日までに品物がほしい」

とか、そういう中くらいの無茶をいってくる。

これも、ゼロ回答せずに、できうる限りで社内を説得し、応えていく。

お客様も、無茶をお願いしているという自覚があるから、そこでまた人間関係のバランスシートにおける「貸し」が積み上がっていく。

これが十分に貯まりきって、然るべきタイミングが来たとき。

そのときには、真っ先に声がかかる。

新規開拓達成の瞬間だ。

意外とわかってない人、多し

ここまでの話は、要するに「損して得とれ」ということだ。

「そんなの当たり前じゃん」と思う人もいるかもしれない。

しかし世の中には

「お客様に貸しを作るのは損だ。

自社の利益が減ってしまうじゃないか」

と本気で考えている人もいるから、あえて説明した。

そういう上司や先輩は営業マンとしてのセンスがないので、面従腹背でよい。

残念ながら本当に営業センスがない人も世の中にはたくさんいるので、注意しよう。

営業マンのセンスがあるかどうかの見分け方は、

新規開拓の実績がたくさんあるかどうかだ。

部長とか課長とか、肩書きではない。

経験年数でもないしもちろん年齢でもない。

言うこと聞くべきは新規開拓の実績がある人の言葉だけだ。

「良い」から「善い」へ

ぶっちゃけトークや、ざっくばらんな情報提供をして、まずは「都合の良い」営業マンとして認識される。

そうして小さな貸し借りをしていくと、ますます「都合が良い」営業マンとなっていく。

そのうちに、貸し借りが徐々に大きくなるから、お客様と共謀して、頑張って自社から好条件を引き出していく。

徐々に信用が培われ新規開拓のための外堀が埋まっていく。

この過程の中で「都合が良い営業マン」は、いつのまにか「善き友」になっている。

「善き友」とは、単に都合が良いだけではなれない。

本当に困っているとき、手を貸してほしいときに一緒になって戦うから、善き友になれるのだ。

となると、お客様が本当に困っているところに遭遇する必要がある。

しかしそのお客様が本当に困っているときに、救援を求めてもらうためには、条件がある。

それまで一定の貸し借りを作っていて、信頼関係のベースがある、という条件である。

そうでなければ、ここ一番のピンチのときに、救援を要請されることはない。

「コイツになら大きな借りを作ってもいいな」

と思われていなければ、そういう場面が来ても声を掛けてもらえない。

貸し借りが多い友好度が高い人にしか、そういうピンチのときに助けは、お願いできないからだ。

 

まとめると、都合の良い営業マンとなったら、小さな「お願い」がくる。

それに頑張って対応して、小さな貸し借りを始めよう。

やがて実績が増えてきたら、お客様が本当に困るときがくるから、その時は思いっきり助けて、都合の良い営業マンから、善き友に昇格しよう。

このことは、長期的な視野が必要だから、センスない並の営業マンにはわからない。

あなたの上司や先輩が「それは無駄だ」等と言ってくるかもしれないが、そんなときは肩書きや役職ではなく「新規開拓の実績」を見て、従うか判断しよう。

新規開拓をたくさんしてきている人は、そんなことを言わない。

貸し借りの大切さを、わかっているからだ。

続き:一緒に遊ぶ

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